眼瞼けいれん・片側顔面けいれん
■ 眼瞼けいれんとは
眼瞼けいれんとは、目の周りの筋肉がけいれんして、まぶたにひくつきやまばたきが頻繁に起きる病気です。けいれんによって目をギュッと閉じてしまい、思い通りにまぶたが開閉できなくなることもあります。
下記に説明している片側顔面けいれんは、片側のまぶたから症状が始まりますが、眼瞼けいれんの症状は通常、両目に起こります(左右差があることもあります)。初期症状として、まぶたの不快感、まぶしく感じる、まばたきが多くなる、などがあります。
詳しい原因はまだ解明されていませんが、脳内の運動を制御するシステムが機能障害を起こすことによって発症すると考えられています。
■ 眼瞼けいれんの治療について
眼瞼けいれんは、根治的に治す方法はまだありません。症状を和らげるための治療として、眼周囲の皮膚にボツリヌス毒素を製剤にしたものを注射して、筋肉の緊張を和らげ目をつぶる力を弱める方法があります。効果は3~6ヶ月程度で弱くなってくるので、継続的に注射する必要があります。
■ 片側顔面けいれんとは
片側顔面けいれんとは、顔面の筋肉がけいれんし続けてしまう病気です。多くの場合は、顔面の片側に症状が出ます。症状としては、まず、まぶたのけいれんから始まり、だんだんと片側の顔面全体にけいれんが広がるケースが一般的です。
原因としては、顔面神経が脳幹から出る部分で、血管によって圧迫されるために起こることが多いと考えられています。
■ 片側顔面けいれんの治療について
眼瞼けいれんと同様に、症状を和らげるための治療として、けいれん部分にボツリヌス毒素を製剤にしたものを注射して、筋肉の緊張を和らげる方法があります。
また、根本的な治療法としては、微小血管減圧術という手術治療があります。耳の後ろあたりの後頭部を小さく切開して、神経を圧迫している原因となっている動脈を顔面神経から剥離する手術です。