院長メッセージ
生まれ育った忠岡に開業し、2020年10月で10年を迎えます。
眼科医になってからは、20年を迎えました。
この20年の間に、白内障手術は随分進歩し、昔はなかった乱視矯正レンズが発売され、多くの患者さんが術後「眼鏡なし(裸眼)」でよく見えるようになりました。
当院は特に乱視矯正に力を入れ、積極的に行ってきました。
さらに、平成28年から多焦点眼内レンズを導入してからは、白内障手術で老眼も治せるようになり、眼鏡なしで遠くも近くも見えるように徹底的にこだわってきました。
去年発売された世界最新の3焦点レンズに関しては、当院は日本有数の実績を誇ります。
開業してから10年、同じ患者さんを長く診て研究し続けてきたことで、白内障術後に裸眼視力が低下する原因として、乱視の変化が大きいことが分かってきました。
乱視には正乱視、不正乱視があり、加齢と共に変化します。
昔は乱視矯正レンズも角膜形状解析装置もなかったため、正確に乱視を解析できず、白内障手術では乱視は残るもの、と言うのが当たり前に言われてきました。
それが今では、最新機器で乱視を正確に解析し、現在の患者さんの年齢から平均寿命までの経年変化を逆算して乱視を矯正する厳密なレンズ選びによって、30年先まで裸眼視力が低下しないように計算することができるようになったのです。
ところで、眼内レンズにはたくさんの種類があることをご存知でしょうか?
日本の健康保険を使って手術をする場合に使えるレンズは、1焦点、2焦点、3焦点、それぞれに乱視矯正なし、あり、と6種類のレンズが存在します。
(昔からある1焦点レンズを単焦点レンズ、2焦点、3焦点レンズを多焦点レンズと呼びます。)
1焦点レンズは遠くか、近くかどこか1点にピントが合うレンズのため、遠くを見やすくすれば、近くは老眼鏡が必要になる可能性が高くなります。
要は手術後もメガネが必要になる事が多いのです。
まだまだご存知ない方も多くいらっしゃいますが、2焦点レンズは遠くと近くに、3焦点レンズは遠く、中間、近くにピントが合うため、日常生活ではほとんどの方に眼鏡が必要なくなります。
(当院では、1焦点レンズでも、可能な限り両眼でなるべく眼鏡が必要ないように考えて調整しています。)
2020年4月から、選定療養という形で多焦点レンズを選ぶことも可能になりました。
(手術費用は健康保険が使えますが、多焦点レンズの費用は自費です。)
さらには、健康保険は使えない、全額自費となるフルオーダーレンズも存在します。
それぞれのレンズに特性があり、多焦点レンズが万能なわけではなく、患者さまによってはデメリットもあります。
興味がある方は、どのレンズが合うか1度適正検査をすれば分かります。
当院では、他に病気がないかも全てチェックしますので、ごく初期の緑内障が見つかった方もたくさんいます。
40歳以上の方は何らかの疾患も発症しやすくなってきますので、検診の意味でも年一回は眼科受診をおすすめします。
実は白内障手術は、術式としては、もはや改良の余地がない、と言われるほど完成度の高い手術です。私は今の白内障手術で1番重要なことは、最高の裸眼視力を出すこと、それを30年は落ちないように計算すること、だと考えています。
白内障手術は、近視、遠視、乱視、老眼、白内障を1度の手術で全て治すことができる、一生に1度の究極のアンチエイジングです。究極のチャンスなのです。
後悔のないように、できることは全てやる。あらゆる度数から、最適のたった一つの度数を決めるために、妥協は一切しません。
白内障術後に眼鏡がいらなくなった患者さんから「マスクしてると眼鏡がくもって辛かったのが、すごく楽です!」とよく言われます。
ご自身が手術してよく見えて、本当に嬉しかったからと、遠方のご兄弟、姉妹や友人を呼んで、当院で手術を受けられる方も多く、東京、三重、兵庫、奈良、和歌山などからも来て頂いており、何にも替えがたいやりがいを感じています。
術後に患者さんが「めちゃくちゃ見える!」と驚きと歓喜に弾けている瞬間が、私にとってもなによりの喜びとなっております。そんな時は手術の疲れも吹き飛び、あぁこの仕事をしていて本当に良かった。としみじみと実感するのです。
長年分厚い眼鏡をかけてきた、コンタクトがわずらわしい、老眼鏡が苦手、乱視が強くて眼鏡でもよく見えない、昔レーシックを受けたが最近見にくい、など何かしらお困りの方は、ぜひ一度当院の受診をおすすめします。
令和の時代の白内障手術は、患者さんが眼内レンズの種類や特性を理解し、ご自身でレンズを選び、1人1人の最高に見える!にカスタマイズできる手術なのです。
当院のこだわりと情熱が伝わるような、そして患者さまが術後の生活を快適に過ごせるような医療を提供出来るよう、これからも自分自身に一切の妥協を許さず、全力で尽力していきたいと思います。
院長 吉岡 由利子