加齢黄斑変性
■ 黄斑とは
目をカメラにたとえると、フィルムにあたる部分が網膜です(図1)。
網膜の中心部分、直径1.5mmの範囲を黄斑といいます。黄斑のさらに真ん中、つまり網膜の中心は中心窩といい、すり鉢のようにくぼんでいます(図2)。
色や形を識別する視細胞は黄斑にたくさん集まっていて、中心窩に密集しています。そのため、見たり、読んだり、書いたりする機能は黄斑に集中し、いちばん解像力のよい中心窩で、1.0~1.2の視力が得られます。
黄斑から遠い網膜では機能が悪くなり、物があることはわかるのですが、読んだり書いたりすることができません。
■ 加齢黄斑変性とは
加齢黄斑変性は黄斑に起こる異常で、加齢に関係が深い病気です。滲出型と萎縮型とがあります。 滲出型は、黄斑の脈絡膜から網膜に向かって、異常血管が生えてくるものです。異常血管は新しくできた血管なので新生血管といい、もろくて弱く、簡単に出血したり血液中の水分が染み出たりします(図3、図4)。そのために新生血管ができると、黄斑の視細胞が急速に傷んでしまい黄斑の機能は急速に悪化します。 萎縮型は、網膜の細胞と脈絡膜が徐々に死んでしまうタイプです。そのために黄斑の機能は、徐々に悪化していきます。